ここ3年、コンビニなどのお菓子コーナーで、
ある商品が視界に入るたび「お前…変わったな」
という空虚感を感じ、ぽっかりと穴の開いた僕の心はすっかり荒んでしまった。
皆さんは覚えているでしょうか?
今からさかのぼること、約3年と少し前。
おそらく2015年の中頃。
永遠に続くと思っていた幸せが突然音もなく崩れさりました。
そうです、かのプリングルス改悪事件の変です。
日本では1994年から正規販売が始まり、日本国内における独占販売契約をプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&Gジャパン)と締結している明治が販売総代理店となっていたが、上記売却により、2013年1月からケロッグ社の日本法人である日本ケロッグと森永製菓が販売総代理店となっている[9][10]。
日本のCMではかつて「開けたら最後。You can't stop.」というキャッチフレーズが使われていた[11]。また、当初は他のCMと同様にCM最後にP&Gロゴを表示していたが(P&Gフーズとして表示した場合もあった)、2001年以降は非表示となった。
アジア向けには中国とマレーシアで外部企業に委託して生産を行っていたが[12]、2015年にはケロッグがマレーシアに新工場を建設[13]、アジア向けの大きさとフレーバーでプリングルズの生産を開始した。
引用元: フリー百科事典『ウィキペディ(Wikipedia)』
上記のように製造工場が変わりアジア向けに大きさと味を変更。
その変更により一部の信者からは「微妙」「前のが良かった」と、
批判の声が多くありこの事件はプリングルス信者を
絶望のどん底へと叩き落としました。
国内に残された旧フレーバーを求める信者たちは、
郊外のマイナーなスーパーを血眼になって探し。
ネットではプレミアが付き、転売ヤーたちの餌食になっていました。
このプリングルスロスにより、残った多くの信者は新天地を求める
途方もない旅に出ることになります。
既存の筒状の類似製品を試したり、サワークリームオニオン(以下SKO)
フレーバの新商品をみかけては試したり。挙句には、
フレーバーの粉のみを探しに業務スーパーをのぞいたりしていました。
そして一通り試した後に「久々に食べたらそんなに変わんないんじゃね?」
と、もう一度リニューアルされたプリングルスSKOに挑み、
中にはロスから解放される者もいますが、理想と現実の齟齬を受け入れられず、
いまだにその心を囚われ続ける者も少なからずいます。
僕も漏れずにその一人だ。
プリングルスといえば、
チップスのはしがちょっと不格好に欠けてしまう程度にもろく、
妙な塩梅で薄く、歯触りの良い軽快な食感。
クリスピーとは一線を画す、他にない感じでうまくまとまった感じ。
そしてチップス表面の微妙な凹凸がうまい具合にフレーバーをキャッチし、
時にはんなりと、そして時に猛烈に。
洗練されていないが完成された暴れ馬。
それが本来のプリングルスだろう。
あのヒゲを見るたびに思い出す、飾り気がなくどこかそっけない内蓋を。
あの筒を見るたびに思い出す、最後方の欠けたチップス群との甘い蜜月を。
その面影を僕は今でも追いかけている。
そして、よく似た背中を街で見かけて呼びかけて。
振り向いた君は、思い出にかき消されて。
僕は今でも探してる。
舌先に残る、残響を頼りに。